外国人の在留資格「特定活動」|就労制限はある?就労ビザへの変更方法など徹底解説|外国人・グローバル人材採用|Connect Job
- Masato Yano
- 2月28日
- 読了時間: 16分
更新日:3月3日

外国人が日本に滞在する際には、滞在用途に合わせた在留資格の取得が必要です。その1つに「特定活動」があります。
「特定活動」は、既存の在留資格に分類されない多様な活動を行う外国人のために設けられた制度です。 種類によっては就労が認められるケースもありますが、すべての特定活動で就労が可能なわけではないため、適切に確認しましょう。
また、すでに「特定活動」ビザを持っている方を採用する際には、就労ビザへの変更が可能な場合があるため、適切な申請手続きが必要です。
今回の記事では在留資格「特定活動」について、その具体的な内容や、人事担当者が確認すべきポイントを詳しく解説します。
目次
在留資格「特定活動」とは
在留資格「特定活動」は、日本において法務省が指定する特定の目的や条件に基づき、外国人に与えられる在留資格です。
この資格は、既存の在留資格には当てはまらない特別な活動のために設けられた枠組みです。
日本の労働市場での外国人受け入れを促進し、国際交流や経済発展にも貢献する重要な制度として注目されています。
「特定活動」の対象になるケース、具体例
「特定活動」の対象者は様々です。たとえば、インターンシップを目的とした留学生や、高度な専門知識を持つ技術者だけでなく、特定の社会的背景や状況に応じて個別に適応されます。
この資格が適用される具体例としては、「家事支援人材の活用」や「観光・保養ビザの延長」などのケースが挙げられます。日本の厳しい労働人口減少問題を背景として、人材不足が叫ばれる業種・職種で注目されています。
ただし、「特定活動」の在留資格を取得する際には、申請者ごとに異なる条件や審査基準が課されます。そのため、個別の状況に合った適切な準備が重要です。
手続きの詳細については記事の後半で解説します。
「特定活動」とはどのような活動を指すのか
特定活動とは、法務大臣が個々の外国人について指定する活動を指し、「在留資格」の一種に該当します。この活動は、大きく3種類に分類されます。

法定特定活動
1つ目は「法定特定活動」です。
入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づいて定められた特定の活動を指します。
具体的には、特定の研究を行う活動や、特定情報処理関連の業務が含まれます。2022年3月時点では、法定特定活動の対象となる活動内容は、以下の3つに限定されています。
種類 | 内容 |
特定研究等活動 | 法務大臣が指定した日本の企業や教育機関、または政府機関において、特定の分野に関する研究やその研究への指導を行う |
特定情報処理活動 | 法務大臣に指定された機関で情報処理関連の業務 |
特定研究等家族滞在活動・特定情報処理家族滞在活動 | 上記の「特定活動」に該当する在留資格を持つ外国人の配偶者や子どもに対して許可される在留資格 |
特定研究等活動は、法務大臣が指定した日本の企業や教育機関、または政府機関において、特定の分野に関する研究やその研究への指導を行う活動を指します。一方、特定情報処理活動は、同じく法務大臣に指定された機関で情報処理関連の業務を行うものです。これらの活動には高度な専門知識と技術が求められるため、法務大臣の個別認定を受ける必要があります。
また、特定研究等家族滞在活動・特定情報処理家族滞在活動は、上記の「特定活動」に該当する在留資格を持つ外国人の配偶者や子どもに対して許可される在留資格です。この資格は日本での家族生活を送るために必要ですが、「家族滞在」の在留資格と似た扱いとなり、日本で仕事をする場合には資格外活動許可を取得する必要があります。
これらの法定特定活動は、専門的な知識や能力を活かして日本社会に貢献する機会を提供するとともに、条件を満たす外国人がより充実した生活を送るための制度として重要な役割を果たしています。
告示特定活動
2つ目は「告示特定活動」です。
これは法務大臣の告示によって指定される活動を指し、教育や文化交流を促進する機会が多く提供されることが特徴です。
例えば、ワーキングホリデーやインターンシップなどがこの部類に該当します。2023年1月時点では、47種類の活動内容が告示特定活動に含まれています。
在留資格「特定活動」告示一覧(2023年1月時点)
家事使用人(外交官、高度外国人材等) | 国際文化交流 | 特定研究等活動家族滞在活動 |
---|---|---|
台湾日本関係協会職員とその家族 | 二国間EPA由来の看護師・介護福祉士インドネシア、フィリピン、ベトナム | 特定研究等活動等の対象となる外国人研究者等の親 |
駐日パレスチナ総代表部職員とその家族 | 医療滞在とその家族 | 観光、保養を目的とする長期滞在者とその同伴者 |
ワーキングホリデー | 外国人建設就労者 | 製造業外国従業員受入事業における特定外国従業員 |
アマチュアスポーツ選手とその家族 | 高度専門職外国人の就労する配偶者 | 日系4世 |
国際仲裁代理 | 高度専門職外国人又はその配偶者の親 | 外国人起業家とその配偶者 |
インターンシップ | 外国人造船就労者 | 本邦大学卒業者とその配偶者等 |
英国人ボランティア | 特定研究等活動 | オリンピック関係者とその配偶者 |
サマージョブ | 特定情報処理活動 | スキーインストラクター |
※一部の告示を結合しています。
ワーキングホリデーについては、日本と協定を結んでいる23の国・地域の18歳から30歳までの若者が対象となり、この在留資格を利用することで日本での休暇を楽しみながら、生活費を補うための就労も認められています。参加者は日本文化を体験しながら一時的な就労が可能で、労働時間や職種に関する制限もほとんどありません。
また、インターンシップに関しては、外国の大学生が職務経験を得るために、日本の企業で1年以内の期間に参加する活動が該当します。この在留資格を取得することで、日本での実務経験を通じた学びが得られるため、国際的な人材育成にも寄与しています。さらに、短期インターンシップや国際文化交流を目的とする活動も含まれ、異文化間の理解促進や個人的な成長を図る貴重な機会が提供されています。
これらの告示特定活動の在留資格は、日本の文化体験や職業的なスキル向上、異文化交流を推進するものとして重要な役割を果たしており、日本社会や国際社会との繋がりを強化しています。特にワーキングホリデーやインターンシップを通じて多様な経験を積むことで、国際的な理解や協力関係が深まることが期待されています。
告示外特定活動
3つ目は「告示外特定活動」です。
法定特定活動や告示特定活動に該当しないものの、法務大臣によって個別に認可された活動です。
日本における外国人の様々な状況に対応できる柔軟な仕組みで、採用にあたってはそれぞれのケースに応じた適切な管理と確認が求められます。
過去に申請が許可された事例には以下のようなものがあります。
留学生が日本の大学や専門学校を卒業後に引き続き就職活動を行う場合
難民認定申請を行っていて、ほかの在留資格に該当しない場合
在留資格更新が不許可となり、出国準備期間を必要とする場合
「特定技能1号」の在留資格に変更を希望し、移行のための準備に時間を要する場合
在留資格「特定活動」における就労制限について
在留資格「特定活動」には就労制限が設定されている場合があります。
この在留資格を持つ外国人は、法務大臣により指定された活動内容の範囲内でのみ就労が認められており、すべての特定活動が就労可能とは限りません。在留カードから、自社での就労可否を確認しましょう。
雇用者が就労制限を無視した場合やルールを破った場合は、不法就労助長罪に問われる可能性があるため、注意が必要です。
以下で詳しく解説します。
就労制限の確認は在留カードに注意
就労可能性を確認する際には、在留カードでの正確な情報確認が不可欠です。
在留カードは、法務省出入国在留管理庁により3か月を超えて日本に滞在することが許された外国人に対して発行されます。
氏名、生年月日、性別、国籍、住居地、在留資格、在留期間などの基本情報が記載されており、在留カードを確認することで外国人がどのような条件で就労が認められているかを把握できます。
【在留カードでわかること】
氏名
生年月日
性別
国籍
住居地
在留資格
在留期間
在留資格が「特定活動」の場合、パスポートに添付されている「指定書」と呼ばれる書類も確認しましょう。「指定書」にも就労内容に関する情報が記載されています。
在留カードを所持していない、または就労資格が記載されていない場合、法的にその人を雇用することはできませんので注意が必要です。
また、在留期間が「3か月」未満の外国人や「短期滞在」の在留資格を持つ人には在留カードは発行されないため、これらの人々が雇用対象になることはありません。さらに特別永住者の場合には、専用の「特別永住者証明書」が交付されるため、在留カードとは異なる確認が必要です。
これらを踏まえ、在留カードを正確に確認し、就労資格があるかどうかを慎重に判断することが、法的リスクを回避し適切な雇用を行う上で非常に重要です。
在留カードで就労可能か確認すべき4つのポイント
在留カードを確認する際には、以下のポイントを押さえることで、正確な判断が可能です。

①本人確認
まず、在留カードがその本人のものであるか確認しましょう。
16歳以上の場合には顔写真がカードに記載されているので、持ち主が本人であるかどうかを必ず確認しましょう。
在留カードの貸し借りは違法行為であり、不法就労を助長する可能性があります。このような場合、雇用主が「不法就労助長罪」に問われるケースも少なくありません。
②在留期限の確認
「在留期限」を確認しましょう。在留期限は1日でも過ぎてはいけません。
永住者であっても、在留カードには有効期限が設けられています。在留期限が切れている場合は速やかに入管へ相談・手続きを行うことが求められます。
また、在留期限の更新申請は期限が到来する前に行うのが理想的です。申請日以降、特例として最大2か月間は既存の在留資格の活動が引き続き認められる場合があります。この場合、在留カード裏面の記載を確認することで、申請状況を把握することができます。
③偽造カードでないかの確認
「偽装在留カードではないか」確認しましょう。
出入国在留管理庁が提供する公式アプリである「在留カード等読取アプリケーション」を利用すれば、偽造カードの判別が可能です。偽装在留カードを見落としてしまうと、結果として不法就労助長罪に問われるリスクが伴います。このリスクを避けるためにも、必ずアプリでのチェックを行い、安全に確認を進めましょう。
④就労制限の理解
「就労制限」の内容を確実にチェックしてください。
在留カードの「就労制限の有無」の欄には、以下のような文言が記載される場合があります。
「在留資格に基づく就労活動のみ可」
「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」
「指定書により指定された就労活動のみ可」
「就労制限なし」
「就労不可」
この記載内容によって、就労の可能性が異なります。1~3の場合は、在留資格で定められた範囲内で報酬を得る活動が認められます。
たとえば、「指定書により指定された就労活動のみ可」とある場合は、パスポート内の「指定書」に記載された機関や内容によって就労範囲が制限されるため、その内容に基づいて判断します。
また、4の「就労制限なし」の場合は、就労に関して制約はなく、自由に職業に従事することが許可されています。一方で、5の「就労不可」とされている場合は、原則として就労活動は認められませんが、「資格外活動許可」を取得すれば特定の条件下で就労が可能となる場合があります。
各状況を正確に把握せずに就労を開始してしまうと、不法就労や在留資格取り消しといった重大な問題に発展する可能性があります。そのため、在留カードおよび「指定書」の情報を徹底的に確認し、記載内容に基づいて適切に行動することが重要です。特に「指定書」はパスポートに貼付されているため、確認を怠らないよう注意しましょう。
以上の4つのポイントを押さえて在留カードを確認すれば、不法就労やトラブルを事前に回避し、適切な雇用管理を行うことが可能となります。
就労ビザへの変更に必要な手続きと注意点
在留資格「特定活動」を持つ外国人の雇用においては、多くの場合就労ビザへの変更手続きが求められます。
特定活動の内容には
どこでも就労できる場合
特定の企業でのみ就労が可能な場合
フルタイムでの勤務が認められる場合
週28時間までの制限が設けられている場合
があるため、採用者側がその内容を正確に把握することが求められます。
以下では就労ビザへの手続きの流れと注意点を解説します。
在留資格変更許可申請の具体的な流れ
申請の具体的な流れは以下の通りです。それぞれ詳しく解説します。

必要書類の用意
在留資格変更許可申請を行う際は、まず必要な書類を確実に準備することが重要です。一般的に求められる書類としては、申請書、在留カード、パスポート、雇用契約書などの関連書類が挙げられます。これらの書類を揃えた後、出入国在留管理庁にて申請を行います。
特に注意すべきなのは、
「就労不可」の在留カードを保持している場合や、
指定書に「企業」名や「就労時間の制限(週28時間まで)」が記載されている場合
です。
この場合は就労が可能な在留資格へ変更する必要があります。現状の在留資格では適法に就業を開始することができない可能性があるため、十分な時間を確保して手続きを進めることが求められます。
許可申請の提出
採用が決まった場合には、在留期限満了日を過ぎる前に速やかに在留資格変更許可申請を行うことが奨励されます。
特に、新卒学生の場合は卒業前の12月より申請を受付けているため、卒業直後から円滑に就業を開始できるよう、早めの準備が推奨されます。ただし、卒業までに許可が下りない場合もあることを考慮して、スケジュールには余裕を持ちましょう。
また、審査期間は申請内容や企業規模、業務内容によって異なります。早ければ2週間程度で許可が下りる場合もありますが、内容によっては半年ほど要することもあります。
許可が確定し、改めて新しい在留カードを受け取った後に正式な就労が可能となるため、雇用開始日や入社日もこれに基づき調整する必要があります。
このように、在留資格変更許可申請における各プロセスを適切に進めることが、就労を円滑に開始するための必須条件となりますので、しっかりと手続きを行いましょう。
企業が知っておくべき在留資格変更時の注意事項
在留資格の変更について、企業は従業員のビザ条件や法的な要件を十分に理解する必要があります。現在持っている在留資格のみならず、過去の在留資格申請の経緯も申請の許可に影響します。
在留資格の変更が難しい場合がある
在留資格の中には特定の性質があり、制度上他の資格への変更ができないものも存在します。例として、外国人美容師やインターンシップのような資格が挙げられます。
これらの制約を考慮せず安易に採用を進めると、企業にとっても法的リスクや手続き上の問題が生じる可能性があるため、注意が必要です。
過去の在留資格に注意
過去の在留資格申請の経緯や個別の状況によっては、変更が難しい場合もあります。
「特定活動」の在留資格を有する方を採用する場合、なぜこの資格に至ったのかを確認することが重要です。
「留学ビザで在留していたが、延長申請がオーバーワークを理由に不許可となり、その後特定活動(出国準備)で在留している」といったケースがこれに該当します。こうした背景を持つ場合、再度申請しても許可を得るのが困難な場合があります。過去の在留状況が原因で不許可になっているケースでは、申請結果が一貫して厳しいものとなることが多いため、専門家への相談を検討することが推奨されます。
変更手続き完了後の注意点
変更手続きが無事完了した後も、企業としては法令遵守に基づいて雇用契約を適切に管理することが必要です。在留資格の特性や更新条件を理解し、従業員の就労状況を定期的にチェックすることで、企業のリスクを最小限に抑えることができます。必要に応じて専門家の助言を仰ぐなど、計画的な対応が求められます。
在留資格「特定活動」に関するまとめ
在留資格「特定活動」は、日本で多様な活動を行う外国人にとって非常に重要な資格です。この資格を取得することで、一定の条件下での就労が可能となり、多様なチャンスが広がります。一方で、人事担当者にとっては複雑で流動的な在留資格となります。

在留資格「特定活動」を持つ方を採用する際には、まずは「在留カード」やパスポートに貼付された「指定書」を注意深く確認しましょう。
そして、それぞれの活動内容や条件に応じた就労制限を理解し、在留資格変更の申請等、適切な手続きを行いましょう。
人事は事前に適切な情報収集を行い、活動内容や目的に合った手続きを確実に進めることが重要です。
理解や確認が十分でない場合、企業は不法就労のリスクを抱えることになり、法的問題を招く可能性があります。出入国在留管理庁のホームページを参照し、行政書士の方に相談することをお勧めします。
在留資格に基づく権利と責任を十分理解し、適切に対処することが、今後のスムーズな採用活動に繋がります。
採用するのにおすすめなのは高度人材ビザ取得者
おすすめしたいのは、高度人材ビザ(技人国ビザ)取得者の採用です。
高度人材ビザとは、特定の要件を満たした外国人材に付与される就労ビザで、主に学歴、専門性、年収、年齢等が審査の対象となります。また、企業の雇用に正当性があることも条件となります。
一方で、在留期間を自由に延長できたり、関連性のある職種に異動できたりと、現場職から管理職まで多様なキャリアパスを見越すことができる在留資格です。
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