【外国人エンジニアの採用面接】これでOK!面接のポイントと質問例を紹介
エンジニアを採用する際、人事担当者が最も頭を悩ませるのは「面接でどのように候補者のスキル・自社の業務への適性を測ればいいか」という点ではないでしょうか。
外国人エンジニアを採用する際、技術質問以外には何を質問すればいいのか。現場とのミスマッチを起こさないために注意すべきことは何か。本記事で詳しくご説明します。
執筆者:Connect Job編集部 中川 莉沙、原田 悠也、矢野 雅斗
目次
1.自社に合った優秀な外国人エンジニアの採用は難しい
エンジニア採用では、選考過程で候補者のスキルや経験、人となりを探り、自社の要望に合うかどうかを見極めることが重要です。
一方で、企業が求めるスキルと候補者の持つスキルの齟齬や現場と人事の間の思い違いなど、採用の成功を阻む障壁が多く存在します。
特に外国人エンジニアの場合、言語の壁により意思疎通がより難しい他、同じ言葉でも想像するスキルが違ったり、経験に対して想定されるスキルを持っていなかったりと、採用ミスマッチの素因となるものがさらに多いです。
また、昨今のIT人材不足の状況を鑑みると人材のミスマッチや、結果として早期退職などがあった場合、すぐに代わりの人材を用意することは極めて難しくなるでしょう。
そこで面接ではミスマッチを減らすために、面接官との受け答えによって書類選考だけでは測れないコミュニケーション能力や人物像、スキルセットなどを確認する必要があります。
面接で候補者の能力を効率的に把握するためには、質問の作り込みをしておくことが重要です。当記事では採用でのミスマッチを避けるために忘れてはいけない準備や、するべき質問についてご紹介します。弊社が運営するConnect Jobでは企業様のニーズに合わせた外国人エンジニアの紹介を行っております。より効果的な選考を実施されたい場合は、ぜひ一度ご相談ください。
2. 外国人エンジニア採用の面接前に準備すべきこと
外国人エンジニアの採用で面接を行う前に、以下の準備をしておくことで自社の希望に合うかどうか見極めやすくなります。
(1)求める人物像を作り込む
(2)面接での質問を作成する
(3)現場のエンジニアと連携する
エンジニアの採用面接前に行うべき準備について、1つずつ解説します。
(1)求める人物像を作り込む
1つ目は、どのようなエンジニアを採用したいのか、求めるスキル・経験・人物像・組織での役割などを明確にして採用ターゲットを決めることです。
今どの会社にいて、どんな職位で、どんな仕事をしているのかをイメージすることで、適切な人材にアプローチができるようになります。
採用したいエンジニア像を明確にしておかないと、的確な面接質問を作れないだけでなく、現場で求められるエンジニア像と乖離した人材を採用する恐れがあるため、以下を社内で明確にしておくことを推奨します。
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人物像 | 社風や職種の特性から、どのような人物像が歓迎されるか |
ポジション | CTOクラス / マネージャークラス / リーダークラス / メンバークラスなど |
年収レンジ | 自社の給与テーブルとターゲットとなる人材の市場価値から、オファーできる年収ライン |
仕事内容 | 自社の開発チーム全体の中で、実際に担当してもらう業務、将来的に任せる可能性のある業務 |
必須の経験やスキル/あれば良いスキル | 業務で使うことのできるプログラミング言語、日本語力、英語力など |
キャリアに対する考え方 | コミット度合いや独立志向かどうか、など |
経験年数 | 募集職種で必須となるスキルの経験年数 |
経営層、開発現場、採用人事の間で連携をとり、MUST(必須条件)とWANT(希望条件)をそれぞれ共通認識として持っておくことが重要です。
詳しくは後述しますが、外国人エンジニア採用の場合は特に人事と現場との間のすり合わせが重要になってきます。
(2)面接での質問を作成する
求めるエンジニア像を共有出来たら、面接での質問を作成します。
候補者のスキルや経験を聞き出すための技術質問
候補者の素質を知るための質問
候補者が希望しているキャリアプラン
これらを聞き出せるような質問リストを作成します。
複数人の面接官が採用に関わる場合は、評価のずれを小さくし客観的に候補者を評価できるよう、面接評価シート・チェックシートを作成し、評価基準を共有することもおすすめです。
(3)現場のエンジニアと連携する
エンジニア採用面接は、特にシステム運用・開発経験の少ない人事担当者にとっては評価が非常に難しいのではないでしょうか。
現場のエンジニアに協力を仰ぎ、採用面接に携わってもらうのも重要なポイントです。
現場ならではの視点で、人事部の担当者だけでは見抜けないスキルや素質を見抜ける可能性があるためです。
また、専門的な内容や技術面についても、現場のエンジニアと連携することで深掘りしやすくなります。
外国人エンジニアを採用する際には日本語でどの程度コミュニケーションが取れるのかどうかといった点も重要になります。現場での会話を想定した採用面接を行うためにも、エンジニアが採用面接に携わる必要があるでしょう。
優秀な候補者を正しく評価できず選考で落としてしまったり、逆に企業が求める技術を持たないエンジニアを採用してしまったりしないために、現場のエンジニアとの連携は重要です。
3. 技術質問だけじゃない、外国人エンジニアのスキルを見抜く8つの質問
自社の求めるエンジニア像が明確になったら、面接で投げかける質問を考えていきます。
まず、エンジニアのスキルを評価するための質問例を8つご紹介します。
エンジニア面接で候補者のスキルを見抜くための質問としては、使用可能言語や開発経験をスキルマップなどに基づき評価することが一般的です。
しかし候補者が自社の業務とマッチするか、即戦力になるかどうかを評価するためには、以下のような質問も効果的です。
①これまでに開発したサービスやシステム
候補者のスキルや経験を見抜くために、これまでに開発した経験のあるサービスやシステムについて質問します。
・自分が携わっていたシステムについて、他者に伝わるよう端的に説明できるか
・どのようなポジションで開発に携わっていたのか
・具体的な業務内容
・実際に開発したサービス
上記のポイントで候補者から話を聞くことで、候補者のスキルレベルやサービス・システムへの理解、コミュニケーション能力などをチェックできます。
②使用経験があるツールや言語
自社の業務にマッチするかどうかを調べるため、使用した経験があるツールや言語について質問します。
・使用経験のあるツール、プログラミング言語、フレームワーク、開発環境
・そのプログラミング言語を選んだ理由、学習方法
・業務において具体的にどのように使用したのか
上記のポイントを押さえることで、候補者の技術力を把握できます。自社が求めている言語や技術を習得していない場合は、今後どのように補っていくのかについて質問するのがおすすめです。
③直面したことのある課題と、その解決方法
エンジニアは業務を遂行するだけでなく、課題に直面した際に対処するスキルも必要です。
そのため上述したような技術質問に加えて、これまでに直面したことのある課題とその解決方法についても質問するといいでしょう。
・課題のとらえ方
・解決のためにとった具体的な行動
・課題解決の経験をその後どのように活かしているか
解決できなかった課題であっても、課題の分析方法や解決のために取り組んだ施策について聞くことで、候補者のスキルを見極めることができます。
失敗経験や、課題に直面した際に人に助けてもらった経験があるかどうか質問するのもおすすめです。失敗やトラブルにどう対処したのかについて聞いておくことで、候補者の柔軟性やコミュニケーション能力を把握するのに役立ちます。
④開発において重要視しているポイント
候補者が、開発においてどのような点を重要視しているかも重要なポイントです。
エンジニアはさまざまな知識を体系的に学びながら、一貫した姿勢をもって業務を遂行する必要があるからです。
候補者が重要視しているポイントと、具体的にどのような行動に落とし込んでいるかについて質問するのがおすすめです。
⑤スケジュール管理方法
異なる価値観を持つ多国籍なメンバーでプロジェクトを実行しようとすると、時間感覚がずれてスケジュールに影響することが往々にしてあります。
時間感覚のずれは仕事に大きな支障が出るだけでなく、お互いのストレスの素因となる場合があります。
面接の時点で、プロジェクトのスケジュール管理、遅延した際の調整に対する姿勢について確認しておくと、業務の所要時間などにある程度の予想がつき、お互いにストレスが軽減できるでしょう。
例えば「複数メンバーと同時にプロジェクトを実行する際、どのようにスケジュールを管理しますか」「遅延や認識のズレが出ないよう、工夫していることはありますか」等と質問するとよいでしょう。
⑥外部、海外と折衝した経験
候補者のコミュニケーション能力や交渉力を把握するために、外部との折衝経験について質問するのがおすすめです。
外部だけでなく、社内の他部署や現場リーダーとの折衝経験も評価のポイントとなります。また、候補者が今までどのように言語の壁や価値観の違いを乗り越えてきたか聞くことで、社内で外国人エンジニアとしてどのようにコミュニケーションをとっていくことができるか確認することが出来ます。
折衝スキルについて質問することで、顧客との折衝や交渉が必要になるポジションに配置できるかどうかを把握するのに役立ちます。また、言語の壁に当たった時どのように対処するのかを把握することができます。
⑦担当ポジション、リーダー経験
これまで経験した業務でどのようなポジションを担当したのか、チームやプロジェクトを率いたリーダー経験があるかどうかについて質問します。
・担当ポジションと業務内容について、具体的に説明できるか
・(リーダー経験がある場合)どのようなポイントを重視していたか
・課題解決のための具体的な方法
上記について質問することで、現場で任せられる業務の範囲を検討したり、今後のキャリアプランをふまえた評価をしたりするのに役立ちます。
これまでの経験をふまえ、どのように自社に貢献できるかを評価しやすくなるでしょう。
⑧これまでの経験を自社、日本でどのように活かせるか
候補者が過去に経験した内容だけでなく、その経験を自社で、日本でどのように活かせるか、どれくらい貢献できるかについて質問します。
自社の事業やサービスについての理解度や、自社で働きたいという意欲を見極めるのに役立ちます。
候補者の主張だけでなく、根拠や貢献のための具体的な方法についても質問すると良いでしょう。
4.エンジニアの素質やキャリアプランを知る5つの質問
技術や経験に関する質問に加えて、候補者の資質やキャリアプランについて質問することで、自社やチームに適性があるかどうかを評価できます。
エンジニアの素質や希望のキャリアを知るための5つの質問について解説します。
①やりがいやモチベーション
候補者が、どのようなことにやりがいやモチベーションを感じるのかについて質問します。
やりがいやモチベーションを感じるポイントは、人によって異なります。
<想定されるポイント>
・プロジェクトの規模や難易度
・新しい技術に触れられるかどうか
・社会への貢献度
・給与、待遇
候補者が感じているモチベーションと自社の社風や事業内容とがマッチするかどうかを見極められます。
また、モチベーションが下がる場合と理由、モチベーションが下がった時の対処法について質問するのも有効です。
会社側が、必ずしも満足できる環境を与え続けられるとは限りません。
モチベーションが下がるようなことがあったとしても、どう対処してモチベーションを維持しているのか質問することで、自己分析能力や自己管理能力を把握するのに役立ちます。
②日本就職、転職を希望する理由
日本就職、転職を希望する理由と、自社に応募した理由について質問します。
自社の事業やビジネスモデルをどれくらい理解しているか、自社の理念とのマッチするかどうかを把握することができます。また、日本でのキャリアイメージを聞き、ずれていた場合は修正することで入社後のギャップを小さくし、早期退職を未然に防ぐことが出来ます。また、自社の具体的な業務内容は理解できているのかどうかを把握することがとても重要です。
転職を通じたキャリアアップを、具体的に日本でどう実現しようと考えているのか深掘りするのが重要です。
③人と衝突した経験と対処法
プロジェクトにおいて、チームメンバーと対立したり衝突したりすることはつきものです。
人と衝突した経験や、どのように対処したかについて候補者に質問しておきましょう。
人と衝突した際は、相手を尊重し協調性をもって衝突に対処することが重要です。
ただし、時には衝突を恐れず意見を主張したりする必要がある場合もあります。
人と衝突や対立した際の考え方や対処法について質問することで、自社のプロジェクトやチームでどのように役立てられるのか評価するのに役立ちます。
④今後のキャリアプランについて
候補者が、今後のキャリアプランをどのように計画しているのか質問することも重要です。
候補者が描いているキャリアプランに妥当性や具体性はあるか、また特に自社の具体的な業務内容で叶えられるキャリアプランかどうかをチェックする必要があります。
⑤最近勉強していることや興味のあること
IT分野における技術や状況は、日々変化しています。
候補者がどのようなことに興味を持ち、継続的に勉強しているのか質問することで、変化に適応できるかどうかを見極めることができます。
また、自社でのプロジェクトで未経験な業務が発生した場合も適応できるかどうかを見極めるのに役立ちます。
5.外国人エンジニア採用面接で聞くべき質問 まとめ
IT業界では人材不足によって人材獲得競争が激しく、エンジニアの確保が難しくなる場面もあります。
外国人エンジニアの早期退職を避けるためには認識のずれをできるだけ起こさないようにすることが重要になります。面接時の質問で候補者の技術や人となりを掘り下げ、自社の要望に合う外国籍エンジニアを採用しましょう。
また、候補者にとって自分を理解してもらえているという実感は安心に繋がります。結果として内定を出した候補者から入社先として選ばれやすくなるため、面接では候補者が抱える不安を和らげることを意識するとよいでしょう。
Connect Jobでは、ITエンジニアを中心とした、高度外国人材やグローバル思考をもつ国内の人材と企業とのマッチングを支援しています。選考の母集団形成から選考、内定後のフォローまでを通貫して行っています。また、候補者一人一人と面談を行い、要望や考えるキャリアパスを聞き、ミスマッチの起きにくい人材をご紹介します。
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