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国内のエンジニア採用は難しい?外国人エンジニア採用のメリット・注意点

更新日:7月22日


IT人材の不足が深刻な問題になっています。採用担当者の方もエンジニアの採用の難化を感じているのではないでしょうか? その打開案として注目されているのが、外国人エンジニアの採用です。


今回は、今なぜ外国人エンジニア採用に取り組むべきなのか、外国人エンジニアを採用するメリット、雇用方法など、外国人エンジニア採用に関する情報を徹底的に解説いたします。


執筆者:Connect Job編集部 中川 莉沙、原田 悠也、矢野 雅斗


 
 


1.国内エンジニア人材の不足


2018年に経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」において、2030年にはITエンジニア人材は、最大80万人不足すると予測されています。




2030年にはITエンジニア人材は、最大80万人不足すると予測されている

※出所:経済産業省 IT人材需給に関する調査結果(2018)



スマートフォンが完全に普及し、デジタル化が進む中でエンジニアの需要はどんどん増えていくにも関わらず、国内の人材供給は減少傾向となっています。



国別STEM系卒業生の人数(年間あたり)

※出所:OECD and the statistical yearbooks of China, Russia, Indonesia, Iran, and India


そのような中、世界に目をむけてみると、IT人材となる可能性の高いSTEM系卒業生数は日本以外の国にも、多くおります。また、デジタル庁の有識者会議において、「IT人材の不足を解消するには移民の受け入れが不可欠」という提言があるなど、政府は外国人エンジニアの採用を推奨しています。


加えて、日本国内では優秀な人材の海外への流出傾向があります。

特にエンジニア職に関しては海外の大学でソフトウェアエンジニアリングを学び、そのまま海外で就業する人材や、日本国内でもGAFAMなどの外資系多国籍企業に就職する人材が増えています。それらの世界的大企業が与えられるエンジニアに対する待遇は非常に手厚く、人材獲得競争を制するのは困難です。


グローバル化がさらに進み、様々な企業が日本進出する中で、優秀な人材の獲得競争は今後さらに厳しくなるといえるでしょう。





2.外国人人材採用のメリット

外国人エンジニアの採用には、どのようなメリットがあるのでしょうか?


① 採用対象マーケットが大幅に拡大


日本語を話せるIT人材に限定せず、英語スピーカーのIT人材を選択肢に入れることにより、採用対象の母集団を各段に広げることができます。

英語スピーカーに対して採用前後に日本語教育を実施することで、入社時点での日本語話者の採用も実現可能です。


日本語教育については、採用後に個別でオンラインで授業を行うパターンと、大学在籍中に採用活動を行い、大学の授業と平行して日本語授業を組み込むパターンがあります。


日本で働きたいと考える外国人の方は少なくありません。

特に注目すべきは、日本で働きたい外国人の多くが日本文化が好きであったり、国民性や暮らしやすい日本社会に興味を持っていたりする傾向があるということです。そのような方々は日本語の学習に前向きな傾向があります。



②世界ランキング上位の大学出身の優秀な人材にリーチしやすくなる


英語スピーカーを受け入れることのもう1つのメリットは、よりハイレベルな人材へのリーチが可能となることです。国内採用ではリーチすることの難しい、世界トップクラスに優秀な人材を採用できる可能性が高まります。


特に、世界ランキング上位の大学など、レベルの高い環境でIT技術を学んだ人材を獲得できるようになります。


実際に、インド工科大学などの世界大学ランキング上位の大学出身者の採用事例は多数ございます。

ITに対する理解度がより高かったり、問題解決能力に秀でていたりと、社内で大きな功績を残すことを期待して採用する企業が増えています。


③世界最先端の技術、情報にアクセスしやすくなる


インターネットビジネスや、IT研究に関する最新の文献は、海外で英語で発表され・更新されることが多いです。

英語や海外の学会に対する知見のある人材を獲得することで、世界最先端の技術、情報を活用できる可能性が高まります。


④ダイバーシティ&インクルージョンの推進


海外での職務や学業の経験、異なる文化、価値観をもつ人材がチームに加わることで、チーム内に刺激が生まれ、全く新しいアイデアや、イノベーションが起こることが期待できます。


また、多様性という観点だけでなく、海外で働くことに前向きな外国籍エンジニアは、ハングリー精神が強く自身のスキルの向上に貪欲であることが多いため、会社やチーム内において良い相乗効果が生まれるでしょう。


⑤新卒採用ブランディングの向上


多様性を積極的に取り入れている会社としての認知度の向上や、世界最高峰の理系大学の一つと称されるインド工科大学出身者などの諸外国の優秀なエンジニアと働けるチャンスをプラスに捉える学生は多く存在します。


これらのことから、以前では採用、またはリーチの難しかった日本人学生の採用が比較的容易になると考えられます。また、多様性のある企業は外国人人材にとって、馴染みやすい職場という印象を持たれることが多く、魅力として捉えていただけるため、さらに多様性が増すという好循環が期待できます。




3.雇用方法・雇用までの流れ


以上、外国人エンジニアを採用することのメリットを説明しましたが、

次は雇用までの流れについてご紹介します。


外国人エンジニアを採用する場合は、大きく分けて2つの方法がございます。


①日本国内で外国人エンジニアを雇用、就労させるケース


現時点では、外国人エンジニアを採用する企業の95%は国内で雇用しています。


外国人エンジニアの多くは日本的な文化や治安の良さなどの面に魅力を感じ、日本での生活を望んでいる方も多いです。為替相場で円が強かった時代に比べるとやや減少しているものの、現在も日本就職を希望する方は多くいらっしゃいます。


企業側としては、チームマネジメントのしやすさ、セキュリティやデータの管理などを考慮するとやはり日本で雇用する方が安心できるでしょう。

雇用形態は、基本的には正社員としての雇用契約が一般的ですが、契約社員という形態で採用する事例もあります。


募集〜入社までの流れも基本的には日本人の採用の場合と変わりませんが、外国人材ならではの特徴として、就労ビザ申請の手続きがあります。




②海外に居住したまま雇用するケース(EOR:Employer of Record)


採用後も海外に居住したまま、リモートで勤務するという形態もあります。

経営陣の語学力が高く、グローバルコミュニケーションが可能なスタートアップ企業が先駆的に始めている取り組みです。


企業としては、日本に呼ぶよりも交通費などの諸費用を抑えることができるというメリットがあります。


また、コロナ禍を経てリモートワークがより主流となったこともあり、中長期的には、日本に来ることの価値が相対的に低下していくため、 海外に居住しながら働くことのできる仕組みは2020年代に間違いなく拡がっていくでしょう。




その際、海外現地法人がない場合は雇用・労務面はどうすればいいのかという悩みをお伺いいたします。上記を解決出来るサービスとして、EOR(Employer of Record)という仕組みが世界的に拡大傾向にあります。


国内雇用とEORの比較

この雇用方法では、世界のタレントプールから即戦力となる人材の採用から業務開始までを最短1~2週間で行うことができ、組織の拡張や撤退も容易に行うことができます。


また、リロケーションでかかる住居費や交通費、拠点設立にかかる時間・会計監査等の運用コストが不要になり、費用負担を減らすことが可能です。


EORの活用における1番のポイントは、ダイバーシティな組織を構築し、新たな価値やサービスの創造につながることです。

拠点をもたない雇用では、企業・労働者ともにメリットがあります。


企業のメリットとしては、海外に拠点を設立することに比べて、費用を安く抑えることができるという点、労働者側は、ワークライフバランスや柔軟なスケジュール、子育てとの両立ができるなど様々なメリットがあります。


このように、EORは企業側・労働者側にもメリットがある雇用方法で、主流になりつつあります。




4.外国人エンジニアを採用する際の注意点


外国人エンジニア採用を行う際のメリットや具体的な雇用方法についてお伝えしましたが、一方で注意点も存在します。

事前に注意点を把握し、問題の発生を未然に防ぎましょう。


①言語障壁と情報の不平等性の恐れ


仕事上のコミュニケーションだけではなく、人事・労務に関する書類やツール等も多言語対応していく必要が出てきます。

このような対応が進まないことで情報の平等性に差が生じ、外国籍社員の不満に繋がる可能性があります。


外国人就労によるトラブルを回避するためにも、外国人労働者の人権に配慮した取組みは必要になってくるものとして理解しておくことが大切です。



②文化・価値観、考え方の違いによる一時的なマネジメントの負荷増加


日本人にとっての当たり前が、世界の当たり前とは限りません。多様な人材が集まることで、先ほどメリットでお伝えした組織の活性化というメリットもある反面、特にプロダクトマネージャー、ミドルマネージャーのマネジメントは一時的に負荷が増加します。


しかし、多様な人材が活躍出来る組織こそが企業の競争力に繋がっていくことを考えると、ここは障壁というよりも乗り越えるべき壁と認識し、よりよい組織文化の構築を前向きに考えられるとよいでしょう。



③外国人材の入社時に発生する諸手続きを含む各種サポート


在留資格(在留ビザ)の取得支援、来日時のフライト費用負担、入社受入サポート、生活支援金の支給などの手続きが必要になり、日本人採用においては必要のない工数や費用が発生します。


こちらに関しては、行政書士事務所などへのアウトソーシングでも対応できるため、弊社含めエージェント企業にご相談ください。




5. 外国人エンジニアが定着・活躍するために必要なこと




定着に向けた鍵は、「評価・制度」と「コミュニケーション」です。


外国人エンジニアが定着・活躍するために必要な3つの注意点


①年功序列より実力主義重視


日本でよく見られる「年功序列型」の考え方は外国人エンジニアに浸透していません。そのため、適正な能力評価が必要です。

海外では、学生時代の経験やスキルセットにより、新入社員でもいきなり年収が高いことがあり得るため、新たな評価・制度の構築を検討していくことも必要です。



②日本の文化を「当たり前」だと思わない関わり方


「郷に入っては郷に従え」という考え方もありますが、日本の文化を「当たり前」とせず、外国人でも馴染みやすい環境づくりを積極的に行う必要があります。


海外の優秀なエンジニアが働きやすい環境は、生活のサポートが充実していることや、タイムスケジュールが自由で意思決定までのスピードが速いこと、ルールに縛られずに新しいことに取り組めることが例として挙げられます。

一人一人に合わせることはできませんが、異なる観点から考えることも大切です。


また、来日した外国人エンジニアを含めた外国籍の方が混乱することが、日本文化の中でも明文化されない「空気を読む」習慣です。

日本人は「みんな同じ前提を共有している」という意識になってしまいがちですが、前提が異なることを意識することが大切です。



③「やさしい日本語」「やさしい英語」の活用


組織全体でお互いを思いやり、「やさしい日本語」「やさしい英語」でのコミュニケーションを心掛けましょう。


コミュニケーションレベルを相手に合わせる意識を組織内に浸透させる。また可能なら通訳、翻訳専門のスタッフを採用し、会議などをサポートできるとよりよいでしょう。

「やさしい日本語」については、出入国管理庁と文化庁は、在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインを作成しており、YouTubeや資料でご確認いただけます。



6.まとめ


日々のニュースでも取り上げられているエンジニア不足。

しかし、外国人エンジニアの採用を選択肢に入れることで採用の母集団を広げることができます。


採用に向けた障壁はあるものの、外国人エンジニアを採用することにより、現在の組織の活性化、採用ブランディングの向上など様々なメリットがあります。


上記の情報の他にも各国のエンジニアのマーケットの比較情報等ございますので、詳細が気になるという方は下記よりお問い合わせください!


また、Connect Jobでは高度外国人材とグローバル志向の強い日本人の採用を目指すグローバル人材採用の支援を行っております。

採用戦略の立案から、各種手続きを含めた入社前フォローに至るまでの柔軟なご支援が可能です。

是非お気軽にご相談ください。



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