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初の台湾現地選考会で海外採用。留学生採用から海外での採用活動に踏み切ったアダストリアが考える、グローバル採用とキャリア形成

更新日:10月16日


2023年の台湾での選考会を経て入社した台湾出身の新入社員3名とリョウ氏(アダストリア本部に

誰もが一度は目にしたことがあるであろう、人気ブランド「グローバルワーク」「ニコアンド」「ハレ」など、30を超えるブランドを展開するファッション企業、株式会社アダストリア(以下、アダストリア)。店舗数は国内外に約1500店舗、自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」の会員は1700万人にのぼります。


同社の事業拡大の裏には、多様性を重んじたグローバル採用と、彼らのキャリア形成を大事にする企業文化がありました。約10年前から国内の留学生を中心にグローバル人材の採用を積極的に実施し、2023年に初めて実施した台湾選考会では3名を採用。現在、店舗や本部で活躍されています。


今回なぜ初めて海外での採用に挑戦したのか。グローバル採用に従事するリョウ氏に、その採用活動の過程を詳しくお聞きしました。


ゲスト:

株式会社アダストリア 人事部 リョウ ゲツ氏(以下、リョウ)

中国出身。2015年に早稲田大学大学院卒業後、新卒としてアダストリアに入社。ローリーズファームラフォーレ原宿店での勤務を経て、2017年に人事部に着任。階層別研修の講師、海外現地法人教育研修体系構築に従事。直近では駐在員の総合的な人事サポート、グローバル採用等グローバル人事に関わる幅広い業務を担う。


営業担当・インタビュー:フォースバレー・コンシェルジュ株式会社 大橋 芽由(以下、大橋)

執筆者:Connect Job編集部 中川 莉沙、矢野 雅斗

写真:加藤 雄太

 

目次

 



株式会社アダストリア 人事部 リョウ ゲツ氏に話を伺った
株式会社アダストリア 人事部 リョウ ゲツ氏に話を伺った



1.ダイバーシティ&インクルージョンを重視し、約10年前からグローバル採用を実施


──早速ですが、御社がグローバル人材を採用しようと思ったきっかけを教えてください。


リョウ:当社では、10年ほど前から留学生を含むグローバル採用を実施しています。多様なバックグラウンドを持つ外国籍の方々が社内にいることで、それぞれの経験を活かして会社全体に良い刺激をもたらすと考え、グローバル採用をスタートしました。現在も、様々な国籍のメンバーが社内で活躍しています。


インバウンド対応や海外事業のサポート等海外業務のためだけではなく、ダイバーシティを重視していることが、当社の1つの特徴かと思います。


実は私もその過程で採用された内の1人で、フォースバレーさんのイベントに参加したことがきっかけでアダストリアに入社しています(笑)


大橋:学生時代からフォースバレーを利用してくださり、今は人事のご担当として一緒にお仕事ができることを嬉しく思います!国や地域に関しては、どちらの出身の方が多いのでしょうか?


リョウ:当社はアジアを中心に事業展開をしていることもあり、中国や韓国出身の方が多いですね。



2023年の台湾での選考会を経て入社した台湾出身の新入社員3名とリョウ氏
2023年の台湾での選考会を経て入社した台湾出身の新入社員とリョウ氏


2. 「より多くの候補者の方にお会いしたい」台湾現地選考に挑戦


──今回、台湾選考会を実施した経緯を教えていただけますか?


リョウ:今までは日本国内に在学している留学生を中心に採用活動を行ってきましたが、コロナ禍の影響等で、留学生の数が減少していた状況もあり、海外での採用活動にチャレンジすることにしました。


実は海外での採用活動についてはコロナの前から検討をしていました。入出国の制限がなくなり、落ち着いた段階でフォースバレーさんにもご提案いただいたことがきっかけで、検討を再開しました。


大橋:台湾で事業展開をしてらっしゃることもあり、今回ご提案させていただきました。御社のブランドが既に認知されていたこともあり、たくさんの方に応募いただきましたね。


リョウ:そうですね。台湾にはアダストリアの店舗が多く、現地法人も基盤ができているため、現地選考会の実施を決めました。他にも、台湾を選択した背景としては、日本との親和性が高いこと、日本に興味関心が強い人が多いこと、地理的にも距離が近いことなどがありました。結果、とても良い採用活動ができたと思っています。




3. フォースバレー・コンシェルジュ(Connect Job)にプロモーションや候補者フォローを依頼し、手厚いサポートが実現できた


──実際にフォースバレー・コンシェルジュ(Connect Job)を利用してみてのご感想としては、いかがでしたか?


リョウ:いざ台湾での選考会を実施するとなると、台湾にどのような学生さんがいるのか、どのように採用プロモーションを実施するかなど、分からないことが多くありました。その点で、フォースバレーさんがスムーズに進めてくださり、すごく助かりました。


具体的には、どの大学にアプローチすればより日本語力の高い学生さんにお会いできるか、台湾にどのような学生がいるのかなど、採用戦略から一緒に考えていただき、安心して採用活動を進めることができました。


大橋:ありがとうございます。初めての取り組みの中で、リョウさんにも柔軟にご対応いただき感謝しています。


リョウ:また、フォースバレーさんが内定後も候補者の皆さんとコミュニケーションをとってくださり、すごく助けられました。初めての日本就職で不安も多いでしょうし、私たちには直接言いにくい悩みもあると思います。


実際に入社した新入社員も、安心して入社を迎えることができたと思います。



本部のカフェスペースで談笑する3名の新入社員
本部のカフェスペースで談笑する新入社員


4.日本語力の壁を超えて、できるだけ柔軟にグローバル人材を受け入れたい


──グローバル人材の採用活動に取り組むにあたって直面した課題はありましたか?


リョウ:今回入社したメンバーは日本語が堪能なのですが、採用活動時、やはり言語の壁を感じました。新入社員は、入社してすぐ店舗での業務を担当しますので、お客様と日本語でコミュニケーションがとれる方に入社いただく必要があります。


大橋:御社はキャリアパスの観点でも店舗経験を重視されていらっしゃいますよね。ファッション業界という特性上、語学力はとても重要な要素の1つとなりますね。


リョウ:店舗での経験は昔から大事にしていることで、これからも変わらない部分だと思っています。実際に私も2年間、ローリーズファームラフォーレ原宿店での勤務を経験しました。


当社としては、ファッション業界や接客に興味のあるグローバル人材を積極的に採用していきたいと思っています。


今後は、まずは台湾の店舗等、その方の母国で働きながら日本語力を伸ばし、ゆくゆく来日していただくといったキャリアパスも考えています。



5. 候補者に寄り添った採用活動


──採用過程ではどのようなことを意識されていましたか?


リョウ:大変ありがたいことに、台湾国内でのブランド認知度は高く、候補者の多くによいブランドイメージを持たれていたように感じました。


しかし、入社する際には、アダストリアでどう働くか、どう活躍できるかイメージできることが重要になってきます。そのため、会社の理解を深め、情報の解像度を上げていただくことを目指しました。


また、少しでも安心して選考に挑んでほしいと思い、言語面でも工夫していました。


面接は日本語で実施しますが、質疑応答や面接後のコミュニケーションで中国語を使用するなど、アダストリアで働くことに対する不安を減らすことを意識しました。


大橋:採用担当の方と母国語でコミュニケーションをとれるのはすごく安心感がありますね。





6. 日本・台湾の採用文化のギャップにも配慮


──日本には、特有の採用文化「総合職採用」「ポテンシャル採用」などがあるかと思います。グローバル採用をされる際に配慮していた点はありますか?


リョウ:面接を受けに来た方々は、日本で生活・仕事をしたことがなく、日本で働くイメージが漠然としていた印象でした。そこで、できるだけ選考の過程で、日本で、そして当社で働く具体的なイメージを持っていただけるよう、本人のキャリアプランをしっかり聞き、活躍が期待できそうな部署の担当者と面談を行うなど、キャリアイメージのすり合わせを重視しました。


大橋:他に、日本と海外(台湾)の採用価値観やギャップを埋めるという点で気をつけていたことはありますか?


リョウ:日本の場合、海外と比べて内定承諾から入社までの期間が長く、海外出身の方は不安になることが多いと思うので、内定承諾後のフォローには気をつけていますね。


大橋:今回入社した皆さんについては、入社時期も柔軟に対応いただきましたよね。


リョウ:入社まで期間が空いてしまうことで本人たちに不安を感じさせないように、ビザを取得でき次第すぐ入社できるよう社内調整しました。一方で、「同期」の仲間という関係性は大事にしたいので、同時期入社の「同期」とどうつながりをつくるかは課題です。今回は入社時期を柔軟に対応しましたが、今後どうするかまた考えていきたいですね。


大橋:入社後のケアも大切ですね。初めての台湾での現地採用活動で大変な中、候補者に寄り添って柔軟に対応してくださったことは、我々としても心強かったです。



7. 枠にとらわれず、アダストリアで自分の夢を叶えてほしい


──今回入社された新入社員の皆さんは、今どのような仕事をされているのでしょうか?


リョウ:ニコアンド(niko and ... )の旗艦店、DX部門にそれぞれ配属となり、みなさん活躍されています。


アダストリア店舗の特徴として、日本人の来店が多い店舗、海外からの観光客が多く来店する店舗、アパレルだけでなく雑貨や家具も販売する店舗など特色があり、新入社員のメンバーはそれぞれ工夫しながら、経験を積んでいます。


大橋:既にそれぞれの目標に向かって進んでいるのですね!


リョウ:はい、面接の際に語っていた目標に向かって、一歩ずつ進んでいると思います。



新入社員は入社後すぐに実務を担当。日本人・海外からの観光客など顧客に応じた接客を学んでいる。
新入社員は入社後すぐに実務を担当。日本人・海外からの観光客など顧客に応じた接客を学んでいる。


リョウ:「グローバルマーケティングを担当したい」「お客様が購買意欲を持つような空間設計をしたい」「AI技術を用いて台湾のERP刷新プロジェクトに取り組みたい」など、彼らの話を聞いていると、入社後に目標の解像度が上がっているなと感じます。


大橋:素晴らしいですね。これも、採用過程・採用後のコミュニケーションあってのことだと思います。


リョウ:優秀で情熱的な彼らの活躍には刺激をもらっていますし、今回採用した社員それぞれが違うキャリアを目指して頑張っている様子を見ていると、頼もしいです。入社から3カ月間の成長は目覚ましく、採用担当者としてとても嬉しいですし、これからのさらなる活躍を楽しみにしています。




──御社にとっての「グローバル採用」とは?


リョウ:当社のグローバル採用は、海外事業の責任者になってほしい、海外業務だけに専念してほしい、店舗の海外からの観光客を対応してほしい、という理由で行っているわけではなく、その方のキャリア、やりたいこととのマッチ度を重視しています。こうした考え方は、今までも、これからも変わらないと思っています。


大橋:御社ならではの採用活動の方針でいらっしゃいますね。


リョウ:アダストリアは、国籍が理由でキャリアに制限を設けることはありません。


社員それぞれの「やりたいこと」を尊重したキャリア形成を行っています。そのため、目標があって、それをアダストリアというフィールドで実現したい、そういった方にはとてもマッチすると思います。


一人ひとりがぞれぞれに合ったキャリアを歩んでほしいと思っていますし、外国籍であることにとらわれずに自由にキャリアを築いてほしいですね。


大橋:事業や会社の成長と、その方のキャリアビジョンや挑戦したい領域がマッチした時に、お互いに納得感のある状態で入社いただける、そんなイメージですね。


リョウ:そうですね。グローバル採用で入社したメンバーには、各事業部でそれぞれの夢やキャリアを実現していく過程で、(結果的に)アダストリアの多様性やイノベーションを後押ししてくれる存在であってほしいと思います。


日本のファッション企業で働きたいと思っている海外出身の方に活躍できる機会を提供し、事業と個人が同時に成長できるようなグローバル採用にしたいと思っています。


大橋:そうした価値観でいらっしゃるからこそ、多様なバックグラウンドの方が御社で働きたいと考えるのでしょうね。ぜひ、これからもグローバル採用をご支援させていただければ嬉しいです。


この度は、お時間をいただきありがとうございました!





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